2012年02月11日

冒険

こないだ書いたアイルランドでの暮らしの記憶や、昨日話した「今の自分に疑問を持つこと」。
最近そんなことを考えつつ生きていたら、読んでいる小説でそれにリンクするような素晴らしい文章を見つけた。

前にどこかで目にした言葉に、「読むべき本はそれが必要な時に、むこうからやってくる」というのがあった。
まさしくそうだと思った。

少し長いけど。

あなたは思い切ってライフスタイルを変え、これまで考えてもみなかったこと、あるいはなかなか踏ん切りがつかずに躊躇していたことを大胆にはじめるべきだと思っているからです。多くの人々は恵まれない環境で暮らし、いまだにその状況を自ら率先して変えようとしていません。彼らは安全で、画一的で、保守的な生活に慣らされているからです。それらは唯一無二の心の安らぎであるかのように見えるかもしれませんが、実際、安全な将来ほど男の冒険心に有害なものはないのです。男の気力の中心にあるのは冒険への情熱です。生きる喜びはあらたな体験との出会いから生まれます。したがって、たえず変化してやまない水平線をわが物にしているほど大きな喜びはありません。毎日、あたらしい別の太陽を自分のものにできるのです。人生からもっと多くのものを得たければ、ロン、単調な安全をもとめるのはやめて、最初は常軌を逸しているようないい加減な生き方をしなければならないのです。でも、そうした生き方に慣れてくれば、その真の意味と素晴らしい美しさがわかるでしょう。そんなわけで、ロン、要するに、ソールトシティを離れて、旅に出るのです。きっとそうして良かったと思いますよ。しかし、ぼくのアドバイスなど聞いてはもらえないでしょうね。僕のことを頑固だと思っているようですが、あなたのほうが頑固者です。車での帰途、あなたはグランドキャニオンという最高の景色のひとつを眺めるすばらしいチャンスにめぐまれました。アメリカ人なら、一生に一度は見ておくべき景色です。だが、ぼくにはわからないなんらかの理由であなたは家にまっすぐ帰ることばかり考えていました、くる日もくる日も、目にしている同じ場所へいっさんに。これからも、こういう生き方をつづけて、そのために、神がぼくたちに発見させようとして周囲に配置してくれた素晴らしいものを、あなたはなにひとつ発見できないのではないかと思います。定住したり、一か所に腰を落ち着けたりしてはなりません。あちこち動きまわり、放浪し、毎日毎日、水平線をあらたなものにしていくのです。人生の残り時間はまだまだたっぷりあります。

ジョン・クラカワー 「荒野へ」


誤解しないようにしたいのは、「冒険」ってのは何も旅することだけでなく、毎日の生活の中でもできることだし、距離的なものでなく、もっと大きい、人生経験としての「冒険」って意味もあるんだってこと。

人生、3歩進んで2歩下がるだなんて言うけどさ、時々6歩とか10歩とか下がっちゃうよね。
それでもさ、また明日、1歩を進めればいいと思うんだよな。
今いるその場所からその1歩を踏み出すってことが、もう立派な「冒険」なんじゃないかな〜と思うわけ。

「You Sure Love To Ball」〜Marvin Gaye〜


posted by 成田翔一 at 12:07| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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