2009年02月15日

風の便り

 誠実な人間でありたい。
これはたいへん立派な言葉のように聞えますが、
実は狡猾な醜悪な打算に満ち満ちている遁辞です。
君はいったい、いまさら自分が
誠実な人間になれると思っているのですか。
誠実な人間とは、どんな人間だか知っていますか。
おのれを愛するが如く
他の者を愛する事の出来る人だけが誠実なのです。
君には、それが出来ますか。
いい加減の事は言わないでもらいたい。
君は、いつも自分の事ばかりを考えています。
自分と、それから家族の者、
せいぜい周囲の、自分に利益をもたらすような
具合いのよい二、三の人を愛しているだけじゃないか。



太宰治



posted by 成田翔一 at 13:59| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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